AK note

ビデオゲームの考究と企画についてのヒント

子供のためにゲームを考えることは大人としてのクリエイターの責務である

ゲーム業界が低迷している。もう斜陽にさしかかっている……。とはコンシューマゲーム業界のことですが、一方では新しいモバイル系のプラットフォームが出る毎に写真、動画といった記録媒体やゲームアプリの機能向上が呼び水の如く集客の手段となっている皮肉な現状もあります。

大人がやるゲームは2種類あっていわゆるライト層にはコンシューマゲームは向いていないようで、それこそスマートフォンであいた時間に手軽に済ませる感じでしょうか。しっかりと腰を据えてコンシューマゲームがしたい人は「ゲームマニア」または「ゲームが趣味」という大人でしょう。市場の規模は違いますが鉄道マニアと同じ系統だと思います。

デジタルゲームの氾濫するこの時代になって、一般的な大人はモバイル系へとゲームの楽しみ方を切り替えたような格好になっていますがよく考えるとこのような状態が正常で当たり前のようにも思えます。マニアではなく一般的な大多数の人が仕事から帰ってテレビの前で毎日ゲーム三昧という国が良いか悪いかは別にしても、成熟した大人の社会とは言い難いように思いますね。

コンシューマゲームはやはり子供のオモチャであって常に新たな世代のユーザーと向き合うという感覚で商品開発をしなければならないと思います。業界はゲーム愛好者の後追いを続けてきた為にどんどんとマニアックな、市場規模の小さい方へと流されてしまいました。

この新たなユーザーと向き合うという感覚は非常に重要です。子供の時期はとても短く3~4年もすればもう別の興味や流行が出てきます。子供に評判が良くヒットしたので続編を制作する場合、その商品は最初の商品を体験していない、初めて遊ぶ子供も多くいると考えなければなりません。

最初の商品が子供にウケたのなら、それはそれなりの理由があってヒットしたわけですからその部分を壊さなければ、どんなに世代が変わっても同じ年齢層にならヒットし続けるというのが子供向け商品に対するクオリティー維持の考え方です。

最初よりもグレードを上げないといけないとか、マンネリだとか、そういうことで基本となる遊びやシステムに追加要素を加えたり、ストーリーを継続させたりしていくことは全く意味のないことだということです。

そうやって続編を進化させていくことは、結果的に『商品が歳をとっていく』ことになり、結局シリーズを続けていくにつれてユーザーの年齢も上がっていくことになります。そしてその為に新しい世代の子供たちが追加したシステムやシリーズの連続する話題について行けずに買わなくなってしまうということです。

子供向けの商品開発は、キャラクターのデザインでもなく、ゲームシステムでもなく、まずはマンネリに耐えられるだけの流行の王道をコンセプトとして立案出来るかどうかです。子供たちが気に入っていた遊びをある日突然やめてしまうのは飽きたからではありません。年齢に応じた新しい遊びが出てくるからです。

成人向けのゲームを否定しているわけではありませんが、ライト層をモバイル系に取られてしまってる現状で、鉄道マニアとまでは言わなくても、その系統にあるゲームマニアに向けて沢山の制作会社が大量に成人向けの商品を作り続けてもその市場はすでに固定されていて限られているように思います。

結局世界にまで市場を拡大しないと今までと同じような制作方法で成人向けのゲームを作っても採算が取れないような現状では、もはやその商品開発の方法自体が間違ってると考えるべきだと思うのですがどうでしょうか。

子供に向けてコンシューマゲームを考えるというのは難しいことです。大人として自分本位に考えることが出来ないのでその善し悪しさえ理解出来ないこともあります。でも、だからこそ客観的にあそびを追求し本当に求められてるモノがどういうモノなのかよく考えながら制作しなければならないのです。

それはコンシューマゲームを制作する上で最も大切な作業の一つであり、ゲームクリエイターが本来持っていなければならない資質のようなものだと思います。

まずは、それぞれのプラットフォームに存在するゲームがどの部分のユーザーを刺激しているのか、そのゲームの位置を把握しないとどんなに素晴らしいゲームを作っても結果が伴わないということです。

そしてそういうゲームこそゲーム愛好家の大人が待っている良質なゲームではないかと思うのです。

 

*blog "games be" 2014年記事の加筆修正

 

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