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ビデオゲームの考究と企画についてのヒント

ゲーム企画で最初に考えなければいけないのはイメージではなくシステムである

ゲームを考える時どこからどのように考えて行ったら良いのでしょうか。自分が求めているイメージが企画の構成上どの部分に当てはまるのか、そこを把握しておかないと企画がまとまらなくなります。

ゲーム企画の構成は大きく3つに分けることが出来ます。そのことを自動車の構成に例えて説明していきましょう。

1、遊ぶ方法。これは自動車の『エンジン』に相当します。

2、操作方法。これは『タイヤ』などエンジンに直結する駆動関係です。

3、イメージ。これは『ボディー』です。

 

1、遊ぶ方法『エンジン』

「サイドビューの縦横スクロールで自機がコントロールされて移動しながら目的地まで到達する」これが遊ぶ方法です。方法ですからキャラクターも効果もありません。頭の中では四角いカーソルのような自機が地面に相当する色の違う場所を移動しているだけです。

2、操作方法『タイヤ』

厳密にいうと画面の構成もこれに当たります。「キーの左右で移動、下で屈む、ボタンでジャンプ」などに加え、ユーザーの操作で起こりうる全ての結果もこの部分です。たとえば画面の転換やイベントの発動、クリアーやゲームオーバーなどもここで考えます。

3、イメージ『ボディー』

トーリーやそれに準じる背景、キャラクター、効果。またイベントごとの演出などもこの部分です。「ロボットの世界なら近未来で、演出はサイバーなイメージにハードな効果音」ということになります。

 

これらの構成を頭に入れておけば、企画の変更や人員の配置、作業工程なども効率良く進めることができます。

基本的には1~3の順番にゲームを考えます。最初はイメージの無い部分を考えることに慣れないかもしれませんが、この方法が一番簡単で整理しやすく、急な修正にも対応しやすい利点があります。ようは最初に『あそび』を考えるということです。

…… 企画をあまり経験していない人でもゲームを良く知っているという人は沢山います。こういう人が企画を立てると多くの場合最初に『ボディー』が出来上がってきてしまいます。多分『エンジン』や『タイヤ』に相当する部分は既存のゲームに準じる形で頭の中に出来上がっているというのが本当のところでしょう。

もし『ボディー』を作ったあとから新しいゲームシステムを1から考えるというのであれば、それはプロでも難しい作業になるでしょう。イメージを先行させてゲームを考えるという方法は、言ってみれば版権物のキャラクターゲームを考えることと同じ作業になるわけです。

例えば最初にプレイヤーのイメージキャラクターを人間と決めるとすると、自由に空は飛べません。海に入っても息が出来ません。口から炎を吐くこともできません。…… 人間にすることが悪いのではなく、面白いアイデアがあっても、人間というだけで相当ゲームシステム『あそび』に制約が掛かることになります。

実は昨今のゲーム業界の低迷はこのゲームの作り方が大きな原因だと私は考えています。昔のように出せば売れる時代から、内容の伴ったものしか売れないようになってくることで経営者は博打のような商売から数字の見える商売へと考えが移行して行ったんだと思うのです。

他社のヒット商品の良い部分に習い、または同じようなゲームシステムでもってイメージを替えて制作する…… という方法によりリスクを下げ、大ヒットでなくても数字が見えるようなら制作するという流れが業界に蔓延してしまい、毎年大量に発売される商品の中身がほんの数種類の『あそび』しかないという悲しい状態に陥っているのです。

最近では堂々と『ボディー』だけを取っ替え引っ替えしている印象があって、本当に企画がおざなりになっているなあと感じています。

 

*blog "games be" 2014年記事の加筆・修正

 

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