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ビデオゲームの考究と企画についてのヒント

ゲーム制作は必ずシステムから始まりそこからオリジナルが生まれる

以前『ゲーム企画で最初に考えなければいけないのはイメージではなくシステムである』の中でゲーム制作はシステムから考えると話しました。 

しかしゲーム作りのアイデアはさまざまな方向からやってきます。舞台の背景となるストーリーだったりカッコいいデザインのキャラクターだったり……。またイメージを先に考えることで販売促進に繋がる面白いアイデアを思いつくこともあります。

ゲーム制作の基本はユーザーにどのような遊びを提供するかということです。イメージを先行させてもキャラクターを成長させるのはプレイするユーザーです。流行のデザインも物語も、ゲームの中にいるキャラクターの特性がその世界の遊びに合致していないと魅力的なものにはなりません。

最初にしっかりとゲームシステムを考えることで安定したゲームデザインが期待出来るだけでなく、システムに沿ったレベルの高い販促にも繋がります。

 

例えば、「操作するプレイヤーキャラクターが分離するというアクションゲーム」を考えたとします。プレイ中ある条件により本体をそこに待機させ、分離したもう一方を操作します。分離した方がアウトになっても本体がアウトにならなければ自機数は減少しません。

次に上記のようなゲームシステムを活かしたキャラクターを考えます。ロボットによる変形、分離、合体可能なアンドロイドでしょうか。それとも特殊な遺伝子操作によって生み出されたヒューマノイドでしょうか。近年の社会倫理を勘案すると前者の方が良さそうです。

ゲームデザインは基本となる遊びの面白さを最大限に引き出すものでなければなりません。またハードや通信システムの向上により、多様なプレイスタイルにも対応する必要があります。

そこで分離したキャラクターを、ゲーム内で共有している他のユーザーが操作出来るようにしましょう。分離したロボットは本体の攻撃属性や性能などを継承してさらにパワーアップすることが出来るだけでなく、それに加えて新たな特性を持った独自のインスタンスに変形していきます。

このように元のキャラクターを操作するユーザーを「マスター」として一定のリスクを負うと同時に高い経験値が得られるという、今までにはない同時プレイの形が見えてきました。これも最初のゲームシステムから生み出されたアイデアであるといえます。

また販促にもそのゲーム性を活かしたインパクトのある運営が出来そうです。ゲームキャラクターのキーホルダーを作る場合も、分離したキャラクターを2つセットにして、その組み合せをゲームシーンに則したもので種類を増やしたり、ぬいぐるみのレアな組み合せなどでプライズを扱う筐体にも展開できそうです。

このように「2つの組み合せ」というキーワードを使えば単体で扱っていたさまざまな広報活動の範囲を特長を持たせてアピール出来るほか、さまざまな媒体に関連づけてアナウンスすることも考えられます。

 

ゲームシステムを最初に考えることと、その他のストーリーやキャラクターデザインなどの要素から考えることとは、同等にある考え方とはいえません。それは版権もののキャラクターゲームであっても同じことです。

このキャラクターはどういうゲームに合うだろうかと考えるのではなく、思いついた面白いゲームシステムを使ってどのようにキャラクターを活かしていけるかということを考えるべきなのです。

どんなにありふれたアイデアでも、奇抜なアイデアでも、ゲーム制作は必ずシステムから始まりそこからオリジナルが生まれるということです。

 

*blog "games be" 2014年記事の加筆・修正